ある日、出店先に来てくれた方が「これ美味しいのでぜひ食べてみてください」と私にこのお海苔をくださったんです。
むむむ!!初めて見た!
まずは青葉区に老舗の海苔屋さんがあったことに驚いて、そして食べてみてその美味しさにさらに驚いて、すぐにご連絡してお話しを伺いに行ったわけです。
さつきヶ丘の住宅街。
場所は聞いていたのになかなか見つけられなかったのは、いわゆる店舗を構えずにご自宅で営業されているからなのです。
聞けば「横浜三国屋」さんの創業は大正時代。年季の入った木の看板が玄関先に掲げられていました。
「店舗を構えずにお得意さまと口コミで」というスタイルは、一周回って今どきだなと思ったんですけども、それだけ「一度食べたら分かる」品質の良さへの自信と、絶対にお得意さまの期待を裏切らないというプライドが時代を超えてこの看板を守っていることがお話しを伺ってよくわかりました。
横浜三国屋さんの海苔は有明産の海苔を使用していますが、実は初めて伺った2023年1月、有明産海苔の壊滅的とも言えるレベルの不作がニュースになっていました。
2022年の年末までの海水温が高すぎて、海苔が育たなかったそうなのです。
例年なら入札が始まる時期なのに、入札できない。今後の見通しも立たない。
年が明けて急に寒くなったため、そこからの生育巻き返しに望みをかけて待つしかない状況。
「いい海苔が入らなければ、休業します」
とおっしゃったのが強く印象に残り、この状況を含めて、この情報と共に大切な海苔をみなさんにお届けせねばとお預かりさせていただきました。
おにぎりにこの海苔さえあれば。
黒々として香りが濃く、パリッとした、「違いのわかる」海苔。
いつまでもこの美味しい海苔が食べられますように。