着古した服を
アップデートしたら
前より好きになった。

すごく気に入って履いていたデニム。
履きすぎて、お尻や膝の部分が薄くなって履けなくなってしまったのに、なんとなく捨てられずにタンスの肥やしになっていました。
そんな時、nomadicraftさんがデニムのパンツやシャツのお直しをされているのを見て、ぜひお願いしたいと連絡しました。

正直言って「サステナブル」的な考えからではなく、カッコよかったから。

画像を何枚か送った後、「状態を見たいのでとりあえず送ってください」と言ってくださったので「デザインはお任せします!」と丸投げで送り付けました(笑)

状態を確認したら、どの部分をどう補修したほうがいいか丁寧に説明してくださり、その時点で感動したのですが、目に見えて弱くなっている部分だけでなく、負荷のかかり方や生地の特徴まで見て、どの部分をどのあたりまで補修したほうがいいかまで細かく見てくださっていて。
その上で、デザインや料金についても「こういう方向で考えてますがいかがですか?」と提案と確認をいただきました。

そして待つこと数週間。(※期間については作業量や時期によって変わりますので依頼時にご確認ください)

仕上がってきたのがこちらです。最高✨

無造作なようで計算して配置された当て布がアクセントになり、見違えるほどかっこよくて、思わず小躍りしました。

見た目もさることながら、感動したのは、結構な広範囲に渡って補強してもらってるのに、分厚くなったりごわごわしたりせず、少しテロンとしたこの薄手のデニムの風合いは維持したままだったこと。あぁ、この人は本当に布を愛してる人なんだなと感じずにはいられませんでした。

お直しではなく「アップデート」

もう着られないと思っていた服を、もう一度好きになった。
それも前よりもずっと。

また着古したら、また直してもらおう。
そしたらまたもっと好きになるかもと思うと、着古していくこともワクワクする。

「一緒に歳を重ねていける服を手に入れた」

そう思えたことが、この依頼で得た一番大きな価値でした。


nomadicraft

アジアの少数民族の手仕事が詰まった服飾雑貨、アクセサリーを販売する傍ら、ジーンズやシャツの穴あき、擦れなどの補修を手がける。


私が出会った少数民族の人達は、自分達の衣装や布を補修しながら大切に長く使い、代々引き継いでいます。日本でも昔は着る物を補修しながら長く愛用していたと思います。
「自分もその考えを取り入れたい」と思い、東北のボロのイメージをもとに自分の服を直していました。補修箇所を目立たせなくする補修ではなく、古布から現代の布のと刺し子などを組み合わせ、補修箇所を隠さず、また新しい形にアップデートするイメージの補修。
新しく補修した箇所も使っていくと擦れたり劣化していきます。
その様子を含め、洋服全体の変化を楽しむ。
補修した際に、補修箇所にダメージを作ったり、ボロのような使用感を最初から出すのではなく、使っていくうちにボロに近づく。 使いながら変化していく味を楽しむ。というイメージで補修しています。


古き良き考え方や技術を新しい現代に取り入れる、活用する、合わせる。イメージ。
気に入った大切な洋服を、少しづつアップデートしながら、自分なりのオリジナルに育て、洋服を楽しむ。という側面もあります。
古いものを新しくアップデート。
古くなったらまたアップデート。
を繰り返し、変化させていきながら、好きな洋服を長く楽しめる様に。という思いで補修しています。

Web site : http://nomadicraft.com/
shop : https://nomadicraft.theshop.jp/
instagram : @nomadicraft_tyo